2023年3月27日月曜日

CHINONレンズの修理

XR-Sの修理が完成して、ソーラーバッテリーも十分充電終わって遊んでいた時。

ちょっと気になった動きが見てとれた。

カメラの方ではなく、取り付けていたCHINONのAUTO CHINON45mmF2.8というパンケーキレンズの絞り込み速度が遅いのだ。

 とりあえずレンズの前側からばらしていく~


 レンズヘリコイド近くまで分解してきました。

ピントリングを外すときには、後でピント位置調整がやり易いように罫書線を入れておくのが私のやり方。(#^.^#)


 あれ?

絞りまでたどり着きませんでした。。。(*´Д`)

という事で、ここまでばらした部品を元に戻していきます。

そして、今度はレンズマウント側からばらしていく~

今度は絞りまで到達出来ました!

 そしてこれが絞りの作動が遅い原因です。

レンズの絞りは、周辺にヘリコイドなどの動く部分が近くにあり、グリスなどが塗布されていて、その油分が時間と共に絞りに染み出してくるとこういうことになる。

一部安売り交換レンズなどのOEMをやっているメーカーを除き、こういうことにならないように予防をしています。構造的に距離をとれない場合には、油シミを防ぐ塗装なんかもしていたりしますが、これってなかなか目に見えないので、業務提携をしていない個人営業の修理業者なんかは、油を拭いておしまいにするところが多く、1年位すると再発したりという事も。。。 (油シミ防止の塗装もふき取ってしまうから)

ちなみに、この黒い塗装が削れてしまっている場合は、残念ながら絞りユニットの寿命です。


 はい~、ちゃんと最小絞りまで瞬時に絞り切っています!


 

 

 

 

 

 

2023年3月25日土曜日

次の分解はこれにしようかな?

 今年に入り、フィルムカメラをいじりだしてから、またカメラの病気が再発してしまっています。私のカメラの病気とは、撮影だけでなく、分解なども含まれます。

先に分解して使えるようになったカメラは、私の記念すべき初めて買った一眼レフカメラであるRICOHのXR-Sです。土浦市の今はないイガラシカメラで中古品を安く購入させていただいたのでしたね~


 長い時を経て、今でも動く姿に戻った我がXR-S。

今のデジタルカメラと違って、あの当時はフィルムと現像代で撮影を重ねれば重ねるほどたくさんのお金がかかったので、どのようにすれば狙った通りの写真が撮れるのかを頑張って考えながら撮影したのでした。

XR-S自体は中古で1万円程度と格安でしたが、撮影でフィルム1本ごとに2千円位はどうやってもかかってしまったので、あっという間にお小遣いは無くなってしまうのです。

 

さて、本題に入ります。

次はこれにしようと思います。

PENTAX MEFです。 

このMEFは、MEスーパーというカメラを母体としてAF機能を追加したカメラです。
 ミノルタが画期的なAF機能を搭載したα7000を発売し、αショックと呼ばれた社会現象が起きる前の、カメラ会社各社がいろいろなオートフォーカス機能を追加機能的に商品化し始めたころの商品です。

オートフォーカスを機能させるためには、この専用のレンズであるSMC PENTAX AF ZOOM 35-70mm F2.8が必要です。 

ピント合わせのためにレンズを動かす電源をレンズ側に搭載しているために、レンズの下側がバッテリーケースとなり出っ張っています。そして、その電源を入れるスイッチもある。カメラの電源だけでなく、こちらの電源も入れないとAFは作動しません。


 ここに単四電池が4本入り、6Vで作動します。

現在のカメラでは、基本的にすべてオートフォーカスがついていて、自動又はシャッターボタンをちょこっと押すとピントが合うようになっています。

 このカメラの場合は、①カメラの電源を入れ、②レンズ側の電源を入れ、③レンズのAFボタンを押さないと作動しません。


 AF駆動はレンズ側で行うが、ピントの検出はカメラ側で行うから、カメラマウントには信号ピンが新設されています。後のPENTAX KAFマウントと呼ばれるマウントのAF駆動用カプラーがあるところに、その信号ピンが設置されている。

それぞれが両立できなかったのは、それ以前にカメラに自動露出化の波があり、各社ともレンズの情報を伝達する連携装置をマウントに設置したのですけど、PENTAXの場合は下の画像のレンズマウント真下のねじから対照的に、左側へ同じようなレンズ情報ピンを設置したから、その後のオートフォーカス並みの到来時にAFカプラーの設置場所がなくなり、MEFの信号ピンは将来的に使わないと判断して引き換えに無くなったようですね。

上側に場所があるじゃないかと思われるかもしれませんが、マウント内側に見える絞り連動レバーの装置がその辺に設置されていたのです。

ミノルタ(現ソニー)やニコン、キャノンなどのメーカーが軒並みマウント内側に情報伝達の信号ピンを設置しているのに対し、PENTAX(現リコー)はマウントに設置して製造コストが高くなる根本的原因は、この当時の規格を少しずつ引きずっているからなのでしょうね。KAFの次にマウント内側にピンを追加したKAF2という上位互換性がある規格が出来たのだから、やれないことはなかった。当時の各社の事情がそれぞれ今の一眼レフのマウント規格に連綿と続いているのですね~

 

なんかPENTAXに対してマイナスな感じに書いてしまっていますが、後のカメラにずっと採用させ続けた画期的な部分もあります。

それがこれです。

カメラのミラー後ろにもう一つミラーを設置して、ファインダーとは別な場所でオートフォーカスのためのピント合わせを行う測距をする。

これがなければ、フィルムカメラでこの後何十年も続くAFのピント合わせが出来ません。

ミラーの下側には、測距用の素子がむき出しで設置させています。

ミノルタのαシリーズ以降に主流となっていく位相差検出型のオートフォーカスとは違うからですね。位相差って、ぶっちゃけて言うとマニュアルフォーカスカメラの中央にあるマイクロプリズムで線のずれを見るように、被写体のパターンがどの位どっちにずれているかを見て判断しているという事です。そして、このMEFで採用されているコントラストAFって、同じマニュアルフォーカスカメラの周辺のこまかい粒々の部分で、一番くっきり見えるところにピントを合わせる感じです。

人間は無意識に見ているものに焦点を合わせるが、機械だとそれを論理的にプログラムを組んで実行させなければならんから大変ですね。

最近のデジカメとは違って、この当時の数百円の電卓並みの装置では、出来ることが限られる。


そんなこんなを、このカメラを分解しながら巡っていこうと思います~


 

 

2023年3月18日土曜日

RICOH XR-Sをばらしてみる 最後

外装も大体組み付きました。

 ダイヤル部の表示、よく見るとXR-7と違います。

XR-7の方が見やすいかな~、そっちを付けちゃおうかな~って思いましたが、XR-Sの方が文字の溝に色入れしてあって高級感あるから、オリジナルでいいかな。

ワインダーの自動巻き上げも問題なし!

 セルフタイマー、PCV音問題なし。

XR-Sを組み立てて、露出などの確認をします。

最近は便利なもので、スマフォのアプリで露出が計測できちゃうんですね~

 

ISO(ASA)感度、シャッター速度、絞り連動レバー、露出値各連動はOK。


 

 最後はこれ。

このカメラの特徴である太陽光を利用したSolar Battery System。

バッテリボックスの側面のスイッチを押さないと充電しません。

このXR-Sが販売していた当時は、このようなNi-Cd充電池があったようですが、今の時代はないです。でも、同様なことを考えてレストアした人がいたようで、ネットの記事に記載されていました。なので、ネット検索すれば対処法がわかるのは、今の時代の特権ですよね。

 


 ということで、LR44と同じような形状の充電池を入手しました。多分、今買わないと手に入らなくなるでしょうね。GP40GVHという型番の電池です。


 上の図のような突起をもった筒状の入れ物を自作し(バッテリーケース内面にあるスイッチを押すような形状)、バッテリーボックス内に充電池を入れると、時間はかかりますが充電はしているようです。

 

なんとかXR-SがXR-Sであるための復活は出来ました。

めでたし、めでたし!

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月17日金曜日

RICOH XR-Sをばらしてみる その4

WBC観戦をしていて更新が遅れました。(;^ω^)

 

XR-Sの破損部品の件、推測される寸法の部品をネットで発注し、試行錯誤していました。

 

 昔は個人の少額決済は出来なかったような記憶がありますが、今では私のような大して物を買わない人間でも購入できるようになっていました。多分、MONOTAROなんかが大手ネットショップ店などで展開しているから、敷居が下がったのかもしれませんね~

ただ、欲しいものは結構な確率で受注停止になっているなど、今時のいろいろな情勢が反映されているなあとは思いますね。

 

で、結果的に無くても動作はするので無しでいこう!

という事になりました。

 

結構合理的に作られたRICOHのXR-Sではありますが、疑問点や腑に落ちない部分は結構あります。

たとえば、迷光防止のために遮光材(モルトプレーン)が貼り付けられています。

でも、完成状態では直ぐ上側に貼り皮があるので、何処からの迷光防止なのでしょうか?

ここを懸念するなら、すぐ脇のLEDとスイッチ側面からを気にしたほうがいいのでは?

 

こっちの方が直に光が入り込むのでは?


 ファインダー内LEDすぐそばには、露出補正のラッチレバーが隣接していて、かなり近い。

1mmも無いから、接触せずとも見た目が危なっかしい。


 その他にも、もっとコストダウンできそうな個所などもあり、XR-SやXR-7を現代で作り直すとなれば、もっときれいに合理化して出来そうな気はしますね。

ただ、いろいろなコストが上がっているので、あの当時(1980年代)の値段は確実に超えるでしょうけど。

 ということで、とにかく組み立てました。

もちろん動作も問題ありません。


 次回、完成状態をレポートします~

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月4日土曜日

マクロレンズで遊んでみる

わたくしのところには、標準レンズ以外にもマクロレンズも多くある。

元々、沢山のレンズを所有していましたが、高額で売れる時に多くのレンズを手放したので、今残っているモノたちは自分にとって持つ価値があると過去に判断したものという事になります。

 

これはタムロンの名レンズ。90mmF2.5のマクロレンズです。

タムロンのレンズは、伝統的に色の収差が結構出る傾向にあり、一般的にパープルフリンジと言われますが、それは高価な色消しレンズを使用した180mmや400mmなんかもみんなありましたね。SPシリーズという高級レンズ群でも、良いのは解像力が一段いいかもという位で、正直にいうとそんなにレンズ収差は優秀な補正はされていないなという感じ。

ただ、レンズの味とかを含めた評価は、収差補正が優秀なレンズがいいかというとそういうわけではなく、個性とか特徴を持ったレンズで、それが世間に受け入れられた場合に良いレンズと言われる。

このレンズは、拡大倍率を1/2倍までとしてコンパクトにまとめられているし、当時はポートレートに使うといいと言われていて、レンズ収差の補正がそういった用途には向いていたという事ですよね。

これはシグマの180mmF5.6です。

この時代のシグマは180mmでF2.8とF5.6の明るさの違う2種類のマクロレンズを販売していた。当時人気だったのは明るさで汎用性のあるF2.8の方でした。

カメラメーカーのレンズでは、等倍まで拡大できるものが多かったですが、このレンズは1/2倍までです。もうちょっと頑張って等倍まで出来れば販売結果は違っていたかもです。シグマは望遠レンズでかなり拡大できるテレマクロなんてありましたからね。

 一方、50mmのマクロは等倍まで拡大できます。

拡大倍率を求める人はこちらを使うべき。



 そうそう、販売が思わしくなかったシリーズとしては、ニコンのマクロズームレンズも当てはまります。

AF MACRO NIKKOR 70-180mm 1:4.5-5.6 D



 アピールポイントとしては、世界初のマクロズームレンズ。

使い方としては、100mmマクロで画角を調整できる便利なレンズといったところでしょうか? でも、それと引き換えに、このレンズも全長が長くなり撮影倍率が低い。ほぼシグマの400mmレンズのテレマクロ並み。デジタルに移った昨今、こういったレンズの復活は意味が薄れてしまったので、同じレンズはでないと思います。多分。。。

棚の中にあるレンズを眺めながら、時代の移り変わりに涙。。。

オークションでも一部のレンズを除き過去のブームの頃に比べて著しい価格下落。

フィルムカメラがいまだ現役だったあの頃、レンズってもっと価値あったものだったのに。

(私は価格が高価だったころに多くのレンズを手放しましたが。。。)


 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月3日金曜日

PENTAX S(スクリュー)マウントレンズをいじってみる

RICOH XR-Sの修理で、破損部品をどうするかについてしばらく考えているので、そっちの修理を中断している。

なので、考えている間にその辺に散らかっている標準レンズをいじり倒しています。(ちょっとした息抜きです。)

 

 

今ではレンズキットという名前で、カメラと共にセット販売されている初めの一本目のレンズですが、その昔はズームレンズではなくて、焦点距離約50mmの短焦点レンズでした。

何故かというと、今から約50年前はズームレンズ自体が超高額の品物で、なんならもう一台カメラが買えちゃう金額でした。だから、1990年代以前のカメラを中古品店などで漁っていると、多くがそのレンズが取り付けられた状態でおかれていたりします。

私の部屋にも、そういった都合で標準レンズが結構あります。

 そういったレンズを、昔どこかで手に入れた資料などを参考に、偏見込みで振り返ってみたいと思います~

ちなみに、この辺が詳しく記載されているので、紹介しますね。

一つは日本カメラという雑誌の別冊でアサヒペンタックスの使い方。

今でもカメラやクルマなんかが新しく販売されると、こういった冊子が書店に並びますよね。

もう一つが、THE ULTIMATE ASAHI PENTAX Screw Mount Guide です。

よくこんなに詳しく調べたよね、カメラ会社や関係者の人じゃないのにって感じです。

当時、イケイケのPentaxがいろいろやっていた希少な記録ですね~

完全自動露出といっても、今の時代のシャッターボタンを押すだけと違います!とだけは言っておきます。(;^ω^)

ちなみに、このころの開放測光機構がついたペンタックスのスクリューマウントは、一般的なスクリューマウントと互換性が完全にとれなくなってきます。それがこの絞り連動レバーがついたことによる部分ですね。このでっぱりが干渉する他社カメラボディーがあって、PENTAXのレンズを取り付けるには加工が必要な場合があります。

って、本を読んでいると、私が所持しているレンズSuper-Takumar 1:1.4 50mmが一型という事で、レンズ最後端部分が出っ張っているために、開放測光のPENTAXスクリューマウントカメラに取り付ける際には破損の危険があるそうな。。。

確かにレンズ枠が危なっかしい形してるわ。さすがは究極ガイドだなあ~

そして、私のもう一つのレンズ、Super-Takumar1:1.8 55mmも一型のようです。

赤外線撮影時のピント移動指標が、F4.0絞りの被写界深度外側に刻まれています。

古いレンズの方が光の波長による焦点位置ずれが大きいようですね。

ガイド本の中で、このレンズの光学系と同一の55mm F2.0 レンズが紹介されています。何やらネットでも謎レンズとか、レアレンズとかもてはやされているようですが、そんなにいいものとは思えませんけどね。マニアかコレクターには人気なのでしょうか?

だって、普通に考えたら、55mmF1.8レンズとして生産して、品質的に光学性能を満たさないものを絞りを絞って品質的に満たせば商品的に販売OKってしたようなもんでしょ? レンズ名板の黄色文字だって、おんなじ外観だと間違うから目印にしたようなものでは?

ガイド本にあるように、スペックダウン版のカメラと販売していたってことは、本来の性能を満たさなかったものを、別製品に仕立てて売っていたって考えたほうがすごく合理的。


別にPENTAXを悪く言うつもりはありませんが、カメラに限らず、家電や食品など訳あり販売品はどこにでもあります。全く珍しいことではありません。

そうそう、昔はカメラのキムラヤが有楽町あたりの交通会館で、お得意様を招待してメーカー各社の訳あり特価品などを売っていたことありますが、今ではメーカー自体がネット経由などで自社販売していますよね。私も参加したことありますけど。( *´艸`)