ニコンのプロ用カメラ。
とにかくプロのあらゆる要求を満たす為に、多機能であり、その一つ一つが高性能です。
このF4というカメラの特長が、徹底的なアナログ感覚のダイアル&レバー。
まるで飛行機のコックピットにある計器や操作部を見ているようだ。
当時のカタログではアナログの方が操作性に優れるというような説明をされているが、それ故の機能的な制約や見た目の煩雑さが欠点としてあり、その後のF5では更なる多機能化と共にこの操作方法ではなくなる。 特にシャッタースピードなんかは、あと半分スピードを速くしたいとかありますよね。
でもすごいなあ! こんなにメカニカルな作動部を沢山搭載して、なおかつ電子制御の為のフレキシブルパターンや配線がカメラ内を所狭しと納められているカメラは、このF4以上のものはないと思う。
真ん中のフォトミックファインダーというものを外すと、ピント板が見えます。
このカメラは、ファインダー部分交換可能のカメラなので、この部分がなくても一部の機能を除き問題なく使用可能。測光もAFセンサー部にあるスポット測光センサーで計り、自動露出も出来ます。
デジタルカメラになって、ライブビュー表示やバリアングルファインダーが搭載されるようになり、この昔のようなファインダー交換は、する意味がなくなってきましたよね。
フィルムが通るところを見ると、いかにも頑丈そう。
それもそのはず、その後の主流となるアルミプレス一体成形のプラスチックモールド部品ではなく、アルミ合金ダイカストで出来ているんです。この後ボディーだけでなく、前ボディー(カメラマウント支持部材)やファインダーベース(ミラーボックス)、グリップ部とカメラの骨格全てで!
そして、カメラに詳しい人は気づくかもしれませんが、シャッターの羽根が途中で止まっています。
これは、フィルムへの感光を最大限防ぐ為に二重にシャッター羽根で覆っているからです。通常一眼レフカメラにはシャッターの前にミラーがあり、シャッターに直接光が届く事は無いのですが、このミラーを常時たたんで撮影する事も出来るカメラだから、このような特殊な事を行っています。まさにプロ用カメラですね。
一方、今度はカメラマウントの方を見てみると、今のニコンカメラにはないレバーやピンがついています。これは、過去に販売したレンズでも、そのほとんどの機能が活用できるように、レンズの情報を受け取る連携装置です。
今は、フィルムからデジタルに移行し、プロの仕事として撮影をする為には、骨董品のレンズでしかも当時の撮影機能を使わなければならない場面は無視してよいほど無いのだろう。もう完全に割り切っています。昔のレンズはカメラにつけられるという事以外そのほとんどが省略されていますよね。
今の時代、このカメラを中古で買おうと思うと、約3~4万円程度です。
新品の定価が22万6千円のカメラがです。
使わないものに出費するのは高いと思うかもしれませんが、当時の日本を代表する工業製品のすごさを手に取ってみるのも良いモンです。もし、ジャンクカメラが安く手に入ったのなら、ぜひばらしてみるだけでも価値があります。
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