2024年1月10日水曜日

PENTAX Z-1を修理する その3

 さて、いよいよ完了が目前に迫ってきました!

外装を組みつけてからでは手直しが面倒なので、外装組付け前に電源をつないでカメラの作動をざっくり確認します。

すると、LCDに表示はするが作動しない状態に。。。。

何かやっちまったのか? 

調べていくと、カメラのグリップ部にある電源ユニットの部品が破損していました。

茶色い部品が黒く焼け焦げています。

ということで、他のジャンクカメラからこの電源ユニット部分を移植。

無事に作動の確認が取れましたので、外装部品を組み込んでいきます。

接眼レンズはジャンク数台の中から一番きれいなものをチョイス。

上側のカメラカバーは、ジャンクのZ-1p、Z-1、Z-5pとどれもそれなりに傷があり、あえて組み合わせを変えることもなさそう。設定ダイヤルだけ組み替えて、カメラはZ-1pなんだけど、塗装の表示はZ-5pとか、Z-1なんて変なマニアにしかわからないいたずらをしたり、そんなことはしませんよ~

内蔵ストロボ部分の持病、ばね掛け部の爪折れは、どうせ折れるんだし、あらかじめPENTAX純正の対策部品を組みつけておきます。この部品は上側カバーだけを浮かせれば組み付けることが出来ますが、折れた部品を交換するにはカメラのメイン基板まで外さねばなりません。だからメーカーも諦めて対策部品を作ったんでしょうね。


グリップゴム部分は、両面テープで貼り付ける構造になっていますが、この両面テープをきれいに剥がして、さらに新しく貼り付ける作業は地味にきつい。。。

こういう単純ですが時間のかかる作業は精神力が削られますね。(*´Д`)

 

 Z-1p復活!!!

今年のカメラはじめは、ペンタックス フィルムカメラ復活プロジェクト。

ネットオークションで1台500~1000円のカメラを3台ほど使用して、実際にフィルムを使用して撮影可能なカメラの再生が出来ました。かかった費用は3台の購入金額と送料で7~8千円といったところでしょうか?

自前の資材も考慮すると、大体1万円程度。



一応カメラとして精度は出ているはずですが、今度フィルムを通して撮影してみることにしましょう~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PENTAX Z-1を修理する その2

はい~

日を改めて、気力が戻ってきたところでシャッターを組みました。

シャッター羽根が破損していたものを入れ替え、きれいになりました。

Z-1とZ-1pは、パノラマのマスクがシャッターユニットについたことで、別部品になっています。同時にパノラマの切り替えレバーがあるために、カメラ本体の形状も一部変更になり、別部品となります。ちなみに、この状態ではストロボコンデンサーとシャッター&ミラーチャージモーターのギアも変わっている。それぞれ、ストロボは制御方式が変更になり、カメラ内のノイズ対策等を見ると発光光量の安定化を目指したものと思われるし、チャージ系は駒速アップのためのようですね。
 

 たまたま手元に昔のカメラ雑誌、写真工業で設計者がカメラを解説している記事があります。部品の1/4が変更されているという事で、私のようにジャンクカメラを集めて1つのカメラを作る際には注意が必要です。

 


 さて、Z-1のペンタプリズムは、ゴミ侵入防止のクッションテープが貼り付けられているせいで、その部分が塗装を侵食してしまっているものが多いです。これは状態のいいものに交換します。


 

 ストロボも制御方式の変更に伴い、別部品なので、Z-1pを生かす計画の私は、ストロボの部品もZ-1pの方に合わせねばなりません。


ストロボ比較

上がZ-1で35mm画角をカバーする。

下がZ-1pで28mm画角をカバーする。

照射角が広くなってフレネルレンズが変更になっているし、ストロボが並列制御から直列制御に代わったから配線もちと違う。



 Z-1の持病である測光素子の曇りは、表面をきれいに磨いてみて、使える基盤がラッキーにもあったので、これをベースに組み付けます。

磨いても、中側まで曇っていて使えないものも多い。。。。


たまたま近くにあったチャリのLEDライトに銀紙をかぶせて、大光量のスポットライトを作る。そして、余計な光が入らないように接眼レンズを遮光したら、測光素子にスポットライトを当てて測光素子位置を調整~


 

 はい~

きれいに位置が合いました!!!

ここでも参考情報ですが、ミラーボックス下側にある穴がファインダーにパノラママークを照射するライトのものです。ピント合わせしやすいようにファインダーマットが変更されましたが、ミラーボックスにも一部変更がされています。ファインダー内LCDユニットも、表示内容の変更と共に変わっているので、ミラーボックスはZ-1pをベースにして、組み替えの際には注意をせねばなりません。


 ストロボブロックは、ばねがかかっている爪が折れるという持病があるため、あらかじめ対策部品を組み付けます。この部品はPENTAX公式のもので、トップカバーをとめるねじにはさんで使います。

 大体組めたところで、本日は終了~

今度は各種動作チェックを行いながら、おかしなところはないかみていきます。


 

 

 

 

 

 

 

2024年1月2日火曜日

PENTAX Z-1を修理する その1

今年のカメラはじめは、PENTAXのZ-1にしようと思い立ち、まずはカメラ集め。

ネットオークションで、個人が修理した個体を拾わないように注意しつつ、格安ジャンク品を収集。


 下側のカバーを外す。

Z-1pの場合は、パノラマ(フィルム面上下を遮光して横長の画像を撮影する機能)撮影用の機能が追加されたために、シャッターユニットの遮光枠を操作するレバーと日付映しこみを切り替えるスイッチが追加されている。

 下側のカバーは、電池が入る部分が強度的に弱く、割れているものが多いが、これはきれいでした。

ここでこのカメラの破損部分を一つ発見。

内蔵ストロボのカバーを外そうとボタンを押してもストロボがあがらない。

 ポップアップスプリングがかけられている爪が破損して、バネが外れています。

このカメラのウィークポイントで、確か生産終了以前に折れているものがちらほら出ていた。

 まるで囲ったこの部分


上側のカバーをはずしたら、とりあえずストロボコンデンサーの放電をする。

そしたら、グリップゴムと前側のカバーを外す。

これはZ-1Pのほうで、Z-1とは配線の色や通す位置が違いますね。ちょっとずつ違いがあるので、ばらす順番は同じでも、部品は組み替えの際に注意が必要です。


ホットシューやコネクター、取り付けネジ、配線などを外していくと、外部LCDを含む上側の基盤が外れる。ダイヤルのブラシを曲げないようにとか、MLボタン、シャッターボタンなどに基盤が伸びているからそれらを外すとか、ハンダで端子や基盤のランド接続してる部分を外すとか注意点はそれなりにあります。



この次はメイン基板を外していく。

下側から外していく。

次は前側。

シャッターユニットの基盤がここで接続されています。はんだごてでハンダを外すわけですが、その際に基盤のランドを剥がしてしまわないように注意です。剥がしてしまうとメイン基板が使えなくなってしまう。

前面のフィルムDX端子のはんだをはずしたら、次は上側。

こっち側の肩はリード線外す。

こっち側はリード線とハンダによるランド接続。

リード線とグリップ部に基盤のとめネジ外し、ねじ近くに基盤へ貫通する形でブラシをはんだ付けされているので、それを外す。

あと、その他にファインダーユニットをはずして、測光センサーを外せばメインの基盤は外せます。

ここでZ-1のウィークポイントをもう一つ。

測光センサーのくもり。

これもZ-1生産終了以前にすでに発生していた持病です。だから、いくらきれいで完動品ですといっても肝心の測光関係がダメダメに。ほぼすべての個体に発生するし。。。


 そしてメイン基板まで外さないと最初に書いたウィークポイントがあるストロボも外せない。だから、ストロボの修理の際には金属製のフックをねじの部分にはさんでとめている個体もあった。

とここで、Z-1のウィークポイントとは言い切れない修理するべき部分。

ゴミ防止にペンタプリズムの周りへ貼られているスポンジ。この糊の部分が経年劣化で塗装を侵食し 、ファインダーで覗いた時に変な帯のようなものが見えるようになる。

見えていたらペンタプリズム交換。見えていなければ、きれいに剥がして枠の方にスポンジを貼る。


このカメラのジャンク販売のポイントがこれ、シャッター羽破損。

もう一台のZ-1はギアの空回り。

さてどういうように合体させるか?

破損したシャッターユニットを直して、Z-1Pのほうを母体にするか?

ちなみにシャッターユニットはZ-1とZ-1Pでは違うものです。

パノラマ機構の部分を交換すれば行けるかと思ったけど、板の厚みが違うらしく入れ替えできず。。。羽の方を交換するしかない。

めんどくさい。

小さなばね掛けめんどい。。。

今日はここまで! 気力あるときに繊細な作業を実施する!