2018年4月16日月曜日

三江線の旅 前編(1/2)

実はですね、3月に3月31日で廃線となる三江線に乗ってきました!
三江線を全部乗るためには休日がうまくとれなかったために、2回に分けて乗るという、とても非効率的で旅行費用が割高な日程になってしまいました。でも、これが今の私にできる精いっぱいの計画なのですぅ。

3月17日、夜の9時過ぎに仕事を終え、その足で高速道路をひた走り広島に向かいます。列車や夜行バスでは時間的に間に合わないのです。1000km弱の道のりを、途中で仮眠しながら走りぬき、三次市に午前10時前には到着! 頑張った俺!!!

多分皆さん同じ目的であろうと思われる。そういった人たちでJR三次駅は活気がある。
その為なのか、いつもは1両と聞いていた三江線が3両編成になっている。

これじゃないようだ。。。

ちょっと小さな車両だからか?
かなりの人が乗っている。
俺もあれに乗るのかあ。。。なんかちょっと滅入ってきた。せっかく来たのだけど。日曜日だからか?

満員の3両編成をお見送りして、私は車で沿線を廻ります。
列車に乗るのは明日、月曜日。

とりあえず、駅前の三次市観光協会で一通り情報を仕入れる。
三江線に乗ろうってのぼりが怖い。何故に般若?

さあ! 車で出発!
最初は尾関山駅。ここはまだ市街地だ。

なんだろう? このホームを直前で避けるような曲がり方は。
不思議な線路形状の駅です。

ここからちょっと行くと江の川。茨城県にも同じ名前の川があるけど、こっちの川は大河です。

次は粟屋駅。
民家の間にある小さな駅。


 周囲に民家は少ないけれど、花が生けられていて綺麗に管理されている。

そこからまた次の駅に向かう。
対岸には大きな道が見える。こっちは線路と所々荒れた細い道。
線路沿いには木々が沢山。そりゃあ雪でも降ったら木々が線路へ覆いかぶさってくるでしょうね。。。
長谷駅。
ホームが崩れそうだ、っていうか、奥の方はもう崩れているし。


次は船佐駅です。
対岸には国道が通っていますが橋がありません。
まあ、行政区割り的には川を挟んで違う町だからあえて渡る必要はあまりないのであろうか? 三江線に乗ってくださいと言われても、毎日街に買い物に行く人はまずいないであろうし、タダでもそんなに乗らんだろうなあ。。。
 結構広い自転車置き場があるけど、あまり利用されているようではない。
この雰囲気は山形県最上川沿いを走っている路線にも似ている。

次の所木駅で普通車1台が渡れる橋があった。
三次からずっと通ってきた細い道を走って三次市に買い物に行くのだったら、ここを渡って国道を利用したほうがいいと思うし、地元の人たちはそうしているらしい。


その次は信木駅。
狭い平地には田畑だったであろうところがあるけれど、しばらく耕作されていない放棄地ばかり。


次は式敷駅。
ここは結構広い土地に駅がある。


次は香淀駅。
ここもきれいな駅だ。バスの待合室も兼ねている。


 次は作木口駅。
周辺に民家自体があまりない。だから利用するであろう人もたかが知れている。
対岸の国道を学生が自転車で走っているのが見えるが、中学生までは近くの学校で、高校生になると列車かバスになるのであろう。この駅と対岸では違う県になる。公共交通機関としては、住民が生活の為に必要なのは行政区割であり市町村内の移動が多いと思うけど、観光客などの訪問者が必要な移動は行政区割りを越える国道や鉄道などのほう。
地方の公共交通機関が減っているのは主に区割りを越える方のやつ。


そして、このあたりから山の上の方に登っていくと棚田があると立て看板が出ていた。
で、実際に行ってみると、棚田はあったけども過去に棚田であったろうところ。今では田んぼか畑かよく解らない耕作放棄地。

島根ってこういうところが結構ある。
先人たちがコツコツと作り上げてきたのであろうが、今の時代はここで作物を作ってもその作物にそれほどの価値が無いってことなんでしょうね。国が想定している自立した農家の年収が250万円位。(就農支援の資料あたりから引用) てことは、この棚田1枚で10~20万円位にならないといけないような感じですが、コメが1俵10万円になるはずはない。 稲作でない部分で収支を合わせるしかないですよね。平地の農業でも難しいのに、山間部ではなおさらですよね。この辺のお年寄りの人達が、若い人たちが働く場所が無いからね~っていうのは、こういう産業の問題である部分でしょうね。
能登の千枚田のように観光資源として活用するのが現実的かなあ? 昔風の古民家も再現して、一軒家をそのまま民泊として、貸すような。
宮崎駿監督の映画「となりのトトロ」に出てくるような、昭和のぼろい家って今時は貴重ですよね。土間や五右衛門風呂って、今時の若い世代の人は全く使ったことは無いであろう。インドアですが、キャンプのようなワクワク感があると思う。
そして、現在でも一部は耕作されている棚田跡から降りてきて江平駅へ。

ここから駅側の道を通って次の駅まで行けないので、橋を渡って国道へ出て次の口羽駅へ。

この口羽駅周辺から国道も鉄道路線もトンネルが多くなってくる。
その路線が切り替わるところがこの口羽駅。



日本海までつながったのが昭和50年だから路線としては比較的新しい。
国鉄の赤字が増していく末期近く。他の地域では、もしつながっていたらこんな赤字にならなかったであろうなあと言われる路線が多いが、つながっていてもだめだった路線がここ三江線。国道などの道路は交通量に関係なく整備が進んでいくけど、鉄道路線は利用量で廃止が決まってしまう。
高速道路って、赤字になりそうな地方の路線は初めから無料区間として作っているから、ある意味ずるですよね。一律同じように評価している鉄道とは根本から違う。

その次は伊賀和志駅。

ブッポウソウを観察出来る駅らしい。
その季節になれば。


で、本来ならばこの次に天空の駅と言われる宇都井駅なのですが、乗用車や観光バスで辺り一面ひしめき合っているので、いったんパス! 後回しにしてその次の駅に行きます。

石見都賀駅。
ちょっとした高台にある。


その次は石見松原駅。
この駅も先ほどの駅と同じで集落の人達の為の駅。


次は潮駅。
桜はまだ咲いていない。3月31日の最終運行にはぎりぎり間に合うであろうか?

国道から潮駅を望む。
ちょうど列車が通過している。川沿いをひたすら走っている路線なんですね。

こうやって見ると、磐越西線の阿賀野川の景色にも似ている。

三江線はダムの貯水池を避けるようにトンネルを抜け沢谷駅へ。
ここも普通の小さな集落にある駅。

その次は結構大きな駅。浜原駅です。
でも、地元の人の気配はほとんどない。近くの隣保館というところから人気がするくらいですね。

関東地方の人にわかるように例えるなら、只見線の只見駅のような感じ。

次は粕淵駅。
町の商工会が入っている建物に駅がある感じ。

ここには駅スタンプが置いてありました。
柿本人麻呂終焉の地。へ~そうなんだ! 人物は知っていても、その生涯を知っているわけではないので、ここ美郷町がそうだとは驚き。

次は明塚駅。
ここもちょっとした集落がある駅。

次は石見簗瀬駅。
駅名板に修正跡があるが、多分難しい漢字だから間違っちゃったんでしょうね。(;^ω^)
駅には洪水のあとの印がある。
人間の背丈位はある高さだ。私の住む茨城県近くでは、お隣の県の栃木県茂木町の街中に同じような印がしてある。過去に那珂川が氾濫した時のものです。それなりの堤防はあったのですが、予測を越えちゃったんですね。

次は乙原駅。
とりあえずの駅。駅付近には自転車や車が停まっているわけではなく、四国の山の中にあるスイッチバック駅のよう。

次は竹駅。

その次は木路原駅。

そしてその次でようやく人の気配のある駅に到着。石見川本駅。

 駅前にはおもてなしサロンがあるが、オープンが12~14時で2時間しか開いていない。。。多分、ここで長時間停車する列車用なのだろう。



次は因原駅。
運送業の会社が駅に入っているのかな?

次は鹿賀駅。


次の駅に向かう途中、線路が堤防を越える部分が見えた。
こえるといっても堤防の上を通るわけでは無くて、堤防の間を通過する。水害の際には線路の部分を可動堰(シャッター)で閉じるようだ。でも、水は少しでも隙間があれば入ってくるし、アリの巣穴のようなちょっとしたものでも決壊するというようなことわざもある。実際に起こった場合には、土嚢でも必死に落として塞ぐのでしょうけど、明らかにウィークポイントですよね。全線開通直後に水害が起こって、それでこのような堰を作ったのでしょうけど、線路のかさ上げはせず。今まで通ってきた路線沿いも、法面が崩れそうな怪しいところが結構あった(ここ数か月で実際に落石で運行を中断した事が何度もあった)けど、ロックシェードなどの構造物は無かった。この路線は自然災害に対しては長年の間にあまりお金をかけない対策しかしてこなかったようだ。あたかも災害が起こって運休になれば、そのまま廃線にしようと過去からずっと思っていたようだ。
人が死ななくて良かったねとしか言いようがない。。。。


次は石見川越駅。

次は田津駅。





近くの家に住むと思われる少年が降りてきた。
本日初めての、途中駅で列車を利用している地元民に出会った。
去っていく列車は車内ががらんとしている。昼間のラッシュが嘘のようだ。

次は川戸駅。
相変わらず人の気配がほんとに無い路線だ。

次は川平駅。
駅前はバスが転回できるようなロータリーの工事が行われている。

そして千金駅。

そして江津本町駅。何が本町かわからないひっそりとした川の傍にある駅です。
そろそろ夕暮れになってきました。
いよいよ本日最後の駅訪問。宇都井駅に行きます!
お昼のような観光バスや駐車しきれないほどの自家用車はもういないようです。
だけども、まだまだ車は沢山。
とりあえず、駅に登ります。










真っ暗の中、地上を眺めるととても怖いくらいの高さ。。。。

さっさとおります。。。
駅は廃止になるまで夜間のライトアップをするらしいです。

午後の8時40分過ぎ、本日最後の列車がこの駅を通過します。
この列車の通過と共にライトアップを全部消すと言っていた。

地上もきれいにライトアップされています。
周辺には沢山のカメラマンがカメラを構えています。この時間に列車を利用する人はほぼいない。

ちょこっと周囲の人と話をしたり、画像を見せ合ったりしてお別れした。
ところで、ポスターに使われている宇都井駅のライトアップも含めて、上の画像のようにコンクリートのライトアップ部分が色飛びしているのがほとんど。カメラの機能のHDRという画像合成を使っても色飛びは防げない。デジタルカメラのセンサーの性能が上がってきても、こういうところはまだまだ難しいんですかね? 肉眼で見たように写ってほしいんですけどね~。(*´Д`) 

という事で、一日目は充実のうちに終了!
2日目はいよいよ三江線に乗車します!


















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