2013年1月14日月曜日

被災地の白鳥

今回は福島に行ってきました。
今までは、被災地の方々を冷やかすような事をしていると思われそうで、逆に近づかずにいたのです。火事場見物のように、珍しいもの見たさでうろちょろしていると思われるから。実際にそのような部分もあるわけだし。
ただ、震災後に何度か訪れている南三陸町で、何度も是非来て現実を見てほしいと言われた。
私は、自分自身が津波の被害にあっていないし、親族にもそのような人もいない。だから全く自分の事として気持ちを理解は出来ていないが、被害に逢われた方がおっしゃるように、現実を見る事で少しは何かを感じる事が重要なのかもしれない。
そういう思いもあり、そっと原発周辺を訪れました。

関東や東北地方は大雪の予報がされているというのに、次第に雨脚が強まり始めた早朝に出発。
一般道をひたすら北上し、お昼前に福島県いわき市に到着。
国道脇の道の駅四ツ倉で昼食を買いこむ。

海鮮ど~~ん!

アナゴかば焼きど~~ん!





エビふりゃ~~を挟んだ道の駅限定「よつくら幸福ドック」!
これだけのボリュームのあるものを全て食ってしまいました!

お祭りの出店で買う焼きそばが美味しいように、何故か港近くで手作りお惣菜を買うと海産物が美味しく感じるんですよね。何か周囲の雰囲気という魔力があるのかもしれない。

 そして、昼飯後に国道6号線を行ける所まで北上。
富岡町に入る手前で通行止め。もうこれ以上いくと、福島第二原発は目と鼻の先だ。
もう行けないので引き返します。

ふと、帰り際に閉鎖されたコンビニを見ていると、白鳥飛来地の看板を発見。
今でも白鳥はきているのだろうか?


楢葉白鳥の館脇に車を停め、すぐ横の池を目指す。

当然のことながら、白鳥観察の為のこの建物はカギが閉まっていた。
足元付近には人懐っこい鴨がこちらの様子をうかがっている。
ををっ! 冬鳥たちがいました!

まだ灰色をした白鳥の子供たちも人懐っこくこちらを興味深く見ています。
遠くを見ると、人の気配を察知し、鳥達がこちらに向かってきます!
震災があってから2度目の冬。

鳥たちにとっても2度目の越冬になるわけだが、はたしてこの地で越冬しきれるのだろうか?
周辺の田んぼは、以前のように米を作ってはいないだろうし、何より除染作業という事で表土を削り取っている。故に近くで落ち穂を拾う事は出来ない。
どれだけ餌となるものがあるのであろうか?
私が様子を見に池の縁に立つと、人懐っこく寄ってきたが、餌を与えてくれる人が以前のようにいるのであろうか?
越冬にやってきたこの灰色をした雛たちは、春に、元気に北へ向かって飛び立てるのであろうか?


日本各所に白鳥が自分達の住む土地に来ると、喜び、大切にしている。
ここ楢葉町もそうだろうと思う。
しかし、原発事故後の今、ずっと大切に、楽しみにしてきていた白鳥が取り残されているようで心が痛い。この土地を自分達が安心して越冬できる土地として、信頼してはるばる遠くから飛んできたのに。
鳥たちは何があったのか理解できないであろう。

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