2012年6月14日木曜日

KISSの前夜

畑の話題がなかったりすると、趣味の一つ、カメラの記事を書いてみたりしてます。
キャノンの圧倒的な一眼レフカメラシェアの中で、販売数トップを誇るブランドが「KISS」です。
カメラの特長をひと言で言うと、機能てんこ盛りのカメラ初級者向け低価格カメラ。
キャノンは、カメラマウントを変更した第1世代のEOSから、第2世代に移り失ったシェアの奪還を計るように沢山のAF一眼レフカメラを投入してきた。プロ向けのEOS1から、ハイアマチュア向けのEOS10、EOS100、そして主に初級者向けのEOS1000。
このEOS1000が後にKISS系統となる。
ボディコン(死語)のおねいさんが持っているカメラがEOS1000です。
現在のカメラに比べると、ごついしおしゃれには見えない。

この当時、入門用のカメラはかなり機能が省略されていた。
それは、カメラ会社が初心者が扱う際に多機能のカメラだと操作が煩雑で扱い辛いだろうとの想定から、わざと搭載できる機能を削って作っていたのです。例えば、上級機には露出制御モードがプログラム自動露出、絞り優先自動露出、シャッター優先自動露出、マニュアル露出と多彩だが、初級機はプログラム自動露出とマニュアル露出のみとか。
ところが、キャノンは全て搭載してきたのです。しかも超低価格で。
お値段はたったの4万7千円です。
安い理由は見た目にも現れていますが、徹底した作りの簡略化です。
初代EOSはカメラボディーにアルミダイカストを使用していた部分が、プラスチックのモールド部品になり、金属削り出しのマウントが同じくプラスチック、滑り止めゴムがシボ打ち成形プラスチック部品に、などなど。
当然プロ用と違い安く作ったこのカメラのカメラとしての精度が同じはずがなく、同じ一眼レフでもカメラのランクに合わせて初級者向けはカメラの精度を緩和した。ただし、今までの時が証明しているようにほとんどの人にはその緩和は全く問題がないレベルです。

今ではレンズ交換式のカメラには沢山の機能がついているのが常識。
使いやすさ、扱いやすさは別にして。
フィルムと違いデジタル記録になっていろいろな調整要素が増えましたからね。
しかし、時代は変われど作る側のコストダウンの努力は変わらない。目立つ新機能と別な方向での目立たない技術もまた重要な要素だという事を感じました。

0 件のコメント:

コメントを投稿