2012年6月16日土曜日

CANON T90

キャノン続きでT90。
キャノンの高性能一眼レフカメラ。
一応プロ用と変わらない位の高性能でありながら、キャノンはプロ用とは言っていない。
多分ファインダー視野率や外部大形ストロボ用のシンクロ接点、防塵防滴などの環境耐久性能が同社のF-1 ほどなかった為ではないかと思う。でも、結構プロの人が使っていて、外部ストロボ用のシンクロ接点なんかはプロサービスで行っていたようだ。一般にも受付はしていたようだが、キャノンは告知をしていなかったから、知っている人のみ持ち込んでやってもらうという感じであったと記憶している。

発売は1986年2月。
1985年、α7000発売と同時期に、キャノンはT80というオートフォーカス機を新発売したわけですが、ミノルタと比較されちゃうと引き立て役でしかなかった。ミノルタ以外のカメラはどこも似たようなもので、それ故アルファショックと呼ばれるようなミノルタのカメラ大流行が起こった。その後オリンパスやニコンもT80と同様の従来からのレンズマウントを元にしてAF化を行った。ただしどれももうレンズ内にピント合せのモーターを組み込む事はなくなった。
キャノンやペンタックスは1年後でもまだオートフォーカス対応のカメラを発表していない。
多分、社内ではものすごい議論を重ねていたのでしょうね。
そんな中発売されたこのT90は、後のオートフォーカスカメラEOSの先祖と言われている。

じゃあ、比べてみましょう!


似てる! フィルムを通す辺りの構造はうりふたつ。
カメラの電源配置も、カメラの底側と一緒です。

キャノンはFDマウントの自動露出化対応で、かなりの苦労があったから、最終的に新しいマウントへの移行を選択したのであろう。
上の画像を見ると、T90のカメラマウント内部はレバーが2本スライドするように動くようになっている。NewFDマウントのこの構造こそが、作る側にとってコストや精度の面で非常に大きな足かせになっている。更にAFの為の構造物を追加して、他社との競争の中でやっていけるのかと考えた時、正しい選択であった。何処かの記事で読んだ情報だが、もし当時、会社のトップの意見に負けてFDマウントを継続していたら、その後のキャノン一眼レフカメラはなかったであろうと思う。

他社に遅れたAF一眼レフカメラでしたが、FDマウントのカメラとしてやれる事をいろいろやったTシリーズの舞台裏で、繁栄と衰退紙一重の社内攻防があった様子を妄想してみると、面白いですね。

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