2012年3月23日金曜日

PENTAX K-01 ファインダーについて思うこと

このK-01はファインダーが無い。
今までのPENTAX製一眼レフカメラには皆有ったファインダーがです。
だからK-01は「レフ」がつかないデジタル一眼カメラと呼ばれている。しかし、カメラに使用する交換レンズは、一眼レフカメラ用のKマウント規格を採用している。
これが、K-01に対する賛否両論の理由の一つとなっています。

なので、ファインダーが必要か? 又は必要ないのか? を私なりに考えてみました。

元々のファインダーの役割は、撮影時に写す被写体を決定するためにあります。
一眼レフのみならず、カメラには何かしらのファインダーが備わっています。
あれ? 一番初めにK-01にはファインダーが無いって書きましたよね!
確かに書きました。カメラにはファインダーがあるって書いておきながら、このK-01には無いって書いてる。
 デジタルカメラは、被写体が写る撮像素子という部品から、画像を常時LCDへ表示するライブビューと呼ばれる機能があります。(携帯電話のカメラ機能で、画面に撮影画像が表示されるのと同じ。) それを使うと、同じようにファインダーの撮影時に写す被写体を決定する事が可能。同じような事が出来るのだけど、このLCDモニターをファインダーというのを聞いたことが無い。多分ですけど、今から10年くらい前のデジカメやビデオカメラにはLCDモニターと窓を覗き込むタイプのファインダーが両方ついている事が多かったですから、それらを区別する意味で呼び名を別にしたのではないだろうか?
PENTAXのK-01は、LCDモニターを一眼レフカメラのファインダー代用としています。

話を戻します。
被写体を決定するファインダーですが、デジタルカメラがまだ無く、フィルムに被写体を写すフィルムカメラの時代には、大きく2種類あった。
一つがこれ、採用例としてバルナックライカについているもの。50年以上前のカメラです。
真ん中の丸い穴の上に、丸と四角の窓が並んでいます。その真ん中の四角の窓がファインダーです。真ん中の丸い穴に撮影用のレンズを取付けて写真を撮るのですが、撮影用のレンズとファインダーが別々の為に、被写体との距離や撮影レンズとの画角(写す範囲)のズレが出てしまいます。ただ、上の画像のカメラが販売され始めてからフィルムカメラが衰退するまで半世紀以上の歴史の中で、さまざまなからくりにより改善が試みられている。

もう一つが一眼レフと呼ばれるもの。
撮影用レンズの後ろ側にミラーを取付け、フィルムに写る画像を確認できるように工夫した構造です。先のファインダーと比べ、途中にミラーを入れて写るはずの画像を見ているから、ズレが容易に改善可能。
下の画像はPENTAX K-5です。撮影用レンズは付いていないカメラだけの状態です。一眼レフカメラの基本構成はフィルムカメラでもデジタルカメラでも変わらない。

レンズから入ってきた光が、ミラーで上側に反射されている。
その光はプリズムで折り曲げられて、接眼レンズを通り、人間の目へと届きます。
これで、撮影時に写す被写体を決定します。

また、一眼レフカメラのファインダーにはもう一つの重要な機能があります。ピント確認です。
 ピント確認する為の装置としてファインダーを見ていくと。
ミラーで上側に反射された光は、プリズムの下側にあるピント板という部品を通ります。このピント板はガラスの表面をヤスリで擦ったような擦りガラス状になっている、いわば小さなプリズムを表面に持った透明な板です。人間の目は高性能なカメラなので、この小さなプリズムが無いとレンズから入ってきた光以外のカメラ内部など様々なものが見えてしまう。そして肝心の写る被写体が見えない。 フィルム面又は撮像素子と同じ位置に調整されたこの小さなプリズム面を人間が見るようにしているんです。
そしてピント板に写った画像は、この状態では左右逆に見えてしまいますので、ピント板の上にあるプリズムで左右逆転するように光を折り返します。そして、それを接眼レンズ越しに覗きます。


そして、話をフィルムカメラ時代のファインダー基本構造からデジタルカメラ時代にもっていくと。


先に書いた被写体を決定する。画像の構図を決める。この事は、K-01のライブビュー表示が
マイナスポイントということは無い。なぜなら写る画像をそのまま表示しているから。気になるのは、覗きこむファインダーに比べてカメラの後ろ側にあるLCDに表示する為に、晴天の野外などで表示が見えづらい事がある。これは携帯電話の画面でも同じだから、それを許容範囲と思う人は問題ないはず。
次のピント確認に関しては、一長一短です。
ライブビューは何度も言うように写る画像が表示されているから、その表示でピントが合っていれば写る画像もピントが合うはずなので間違いが無い。しかしちょっとピントの合っているところが見えづらいかなという感じもあります。このカメラには、フォーカスピーキングというピント合わせを助ける機能もありますが、使うとその分画像輪郭が強調されるから違和感がある。
一眼レフのファインダーは、ピント板の調整後差によって実際の画像のピントとの差が表れる事があるし、プリズムの加工精度と接眼レンズの質によってピントのばらつきが大きくなりやすい。中級機と呼ばれるカメラより安い価格のカメラはコストダウンのため、プリズムや接眼レンズの素材がガラスからプラスチックに置き換わっていて、歪みが発生しやすいから余計にひどい。ライブビューより見やすく感じるが、実際にずれる事が発生しやすいです。昔実験した時には、人によりピントの中心値のズレが実際のピントと最大0.1mm以上ずれました。その上0.1mmずれた所からピントのばらつき幅が0.2mm程度あった・・・・ カメラでピントを合わせなれていると結果が良くなるという事も無い。ライブビューよりピントが見やすいけど、お金かけて精度良く作っていないとライブビューよりピント合わせが優れていると言えない。
結論として、ピントが見やすいのがいい人はファインダー。ただし、たくさんの部品で構成されているのでその分価格上昇に反映される。ピントの見やすさを妥協できる人はライブビュー。

私は妥協できるので、K-01を買っちゃいました。
たくさんカメラ持っていて、変った物も好きだからじゃないですよ。少なくとも、私が普段使いに困る事は無い。

あと賛否両論のAFも、購入に関してよく考え判断する必要がありますね。
次の投稿ではその辺の意見を書いてみようかな。

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